東洋的な美

年の瀬に、伊豆にほど近い静岡県下田市の上原美術館を初めて訪いました。山々に囲まれた、のどかな風情の中に、まだ新しい建物が佇んでおり、そこに大正製薬名誉会長の上原正吉・小枝夫妻の仏教美術コレクションと、その次男で同じく名誉会長の上原昭二氏による近代絵画コレクションが蔵されています。仏教美術はもちろんですが、洋画もまたどこか東洋的な、しんとした静謐さを感じさせる作品が多く、透徹した美への思索こそがコレクション形成の原動力であったのではないか、と思わされました。

 

須田国太郎「薔薇」昭和25年頃

井上靖の所蔵した須田国太郎の薔薇に憧れつづけてついに念願かなった作品とのこと。

 

クロード・モネ「雪中の家とコルサース山」1895年

モネといえば睡蓮があまりに有名だが、素人ながらもこの神秘の色使いはやはりモネなんだな、と感じたもの。この家にはどんなにか素朴で、厳しくも気高い生活があるのだろう?

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鑑賞の余韻とともに、ゆっくりと温泉や食事を楽しんだ夜を過ごしました。美術館収蔵品のような秀でた作品を商うことは、私程度には難しいことですが、美に対する想いのようなものを新たに、来年もがんばって参ろうと思った次第です。本年は誠にありがとうございました。どうか来年も皆さま、よろしくお願い致します。