17世紀に美濃で焼成された御深井釉四方壺です。きわめて珍しい作品で、類品をまだ見たことがありません。寺院など特別な需要によって注文された作品と考えられます。
これ以上なくシンプルな器形に、御深井釉を施しただけの潔いデザインは、モダンアートの魅力に通じるものがあります。まるで切られる前の木綿豆腐のよう。美しい釉調も見どころです。大壺ほどの高さを誇りますが、スリムな器形が置き場所を選ばぬところも嬉しい。珍なる鑑賞陶器として、また、得難き花器として推奨したい作品です。
コンディションも良好で、これといったダメージはありません。