倭鏡

倭鏡は、古墳時代の考古美術を代表するもののひとつです。中国の青銅鏡を模倣したものながら、どことなく香る日本美のたゆたい、それは我々の魂の底に訴えかけてくるものがあるように感じられます。己の姿を映し出すための道具が、なぜ古来より御神体として扱われてきたのでしょうか? この国の不思議です。神話の時代、我身を静かな湖面の水鏡に晒し出す女神の姿が、倭鏡を眺めていると朧げに浮かんでくるような気がします。

この倭鏡は1987年に朝日新聞社より制作された「古鏡の美」に所載された作品です。著者の小窪和博氏について詳しく分かりませんが、他にも海獣葡萄鏡や鍔に関する図録を刊行しているらしく、よほど金工に造詣の深い方であったことでしょう。この図録の27番に「異式内行花文倭鏡」として紹介されている。マジカルな文様と金味が、尽くせぬ味わいを纏っております。得難き倭鏡をぜひこの機会に。

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