(SOLD)堅手茶碗

じつに大らかな堅手茶碗です。箱書きに「長崎堅手」とありますが、根津美術館の名碗「長崎」と同じ時代、同様の窯の所産(16世紀の金海窯と考えられます)であり、茶褐色を帯びた磁質の胎土が用いられ、淡青白色の施釉がなされた茶碗です。堅手とは名ばかり、やわらかな姿を見せ、やや鉢の子形(仏鉢)に似た優しい造形と、時貫入がよく表れた滋潤な肌が、楚々たる茶趣をたたえています。広々とした見込みには、遠景の山影のような火間、古いニュウが及ぶ鏡落としの中央にほんのり赤みを帯びる臍のような窯切れ、雨降りのような青い涙痕など、決して派手さはないが、多くの見どころを備えており、悠然とした風情を持っている。高台は総釉で、四つ目跡があり、根元にしっかりと竹節がある。

手に取り、眺めるほどに心安らぐような高麗茶碗であり、得難き伝世品であることも嬉しい。

桐箱は幕末明治ごろのもので、蓋裏には古山子の書き付けがございます。上質な仕覆も伴い、好印象を持てる次第。

深い時代ニュウは漆様のもので押さえられているようで心配なくお使いいただけます。その他、目立たぬ薄いニュウが2.3本、それと口縁外側に一ヶ所小さな引っ付きの研磨痕がございます。伝世の高麗茶碗ゆえ、さほど気にならない程度であろうと思いますが、ご承知置きください。

御売約ありがとうございました。

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