(SOLD)小原古邨(祥邨)「柳と蝉」 版画 額装

小原古邨の祥邨時代の作品です。祥邨銘の作品は、大正期ごろ渡邊庄三郎を版元として出版された新版画作品です。わずかなそよ風に柳の葉が揺らいでいる中、さいきん街中では少なくなった可愛い油蝉がとまっている。アール・ヌーボーの影響を感じさせるモダンな色彩や、対象を描き出すくっきりとした線が、従来の版画とは一線を画す特徴を呈していますが、同時にどことなくなつかしさも感じさせられる独特の魅力を放っています。むしろ現代人にとって江戸版画のほうが遥かに異国的であり、このおよそ百年前の新版画こそが我々の知る日本の原風景を切り取ったものに近しい。そんな気がするのは私だけでしょうか。
スリムでシンプルな額装、マットが淡い水色なのは、柳の木のそばには水の流れがあるということを想起させ、涼し気であります。部屋に懸けると、そこから涼を呼んでくれるのではないでしょうか。
なお絵の下部に、わずかな紙のしわがありますが、ほぼ気にならぬ程度で目立たず、すぐ直せる程度のものと思います。その他、版画として目立った汚れもなく、良好な状態です。古邨は、さいきん美術館で展覧会もよく催されていて、再評価の流れが著しい。どうぞこの機会に、お手元に置いてみてはいかがでしょう。
2021年4月平凡社より発刊された「小原古邨 海をこえた花鳥の世界」のP82に同作品が掲載されていたので画像7、8枚目にアップいたしました。ご参照ください。
ご売約済となりました。まことにありがとうございました。

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