杉木普斎の竹一重切花入です。とても美しい佇まいを見せており、やはり宗旦四天王の普斎、見事だなと思わせられます。「七賢」という銘が付されております。これは論語を由来とした七人の賢人を差すのか、あるいは小乗仏教の修行の階層を差したものか。禅の流れを汲む侘茶の花入ですから、後者のほうが近い気もしますが、今となれば分からないもので、また、この花入の佇まいを前にして、分からぬままで良いのではないかと思われます。
二か所に亀裂(うち一ヶ所に鎹)があります。また背部の朱漆による普斎の花押がほぼ剥落しておりますが形状はしかと見て取れます。江戸時代の桐箱と近世の外箱、および竹の落としが付属します。
杉木普斎(1618‐1706)伊勢国山田の神宮御師職で利休の孫にあたる千宗旦の高弟。宗旦の佗茶の精神を守り、高潔な茶の道の一生を過ごした。
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